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伝統とモダンが融合した、老舗和菓子屋
大通りから一本外れた昔ながらの街道にある、明治時代創業の老舗和菓子屋。…というと、古い日本家屋をイメージしてしまいますが、キタビト編集部が訪れた先に見えてきたのは、小さな美術館のようなモダンな建物でした。開放感たっぷりのガラス張りの壁からは、明るい店内と工房の中まで見渡せます。低めのテーブルとソファ、大きな赤い傘のある室内に座れば、まるで茶屋の縁台(ベンチ)でくつろいでいるかのよう。快適さと風情が現代風に再構築された、心も体もリラックスできる空間です。
上質な材料と水で、奇をてわらず丁寧に
ショーケースには、百年もの歴史を持つ定番の銘菓をはじめ、その時期にしか味わえない季節の和菓子、地域とのコラボレーションや意欲的な開発から生まれた新しい甘味などが並びます。「上質な材料と汲み上げた天然水で、基本に忠実に、丁寧につくる。僕がやっているのはそれだけですよ」と語ってくれたのは、四代目の勝原毅さん。三代目のお祖父さんが亡くなった後、古い道具や昔のレシピ、賞状などを整理するうちに、これはすごい、ぜひ後世に残したいと決意し、和菓子の道へ進まれたそうです。
口の中でふわりと消える、銘菓「泡雪」
店内で編集部がいただいたのは、残されたレシピをもとに復刻した、定番銘菓の「泡雪」。真っ白な寒天のような見た目なのですが、菓子楊枝をそっと入れると、その柔らかさに驚かされます。口に入れると、しゅわりとした瑞々しい食感。あっという間に溶けていき、金平糖のような上質な、砂糖の涼やかな余韻が口の中で続きます。まろやかなほろ苦さが美味しい、地下水を使って点てた抹茶を飲みながら、ゆったりとした時間を過ごせました。
季節や文化と出会う、一期一会の喜びを
春のうぐいす餅、年末年始の花びら餅など、季節の和菓子も見逃せません。「いつも食べられる訳ではないのですが、その一期一会も含めて、和菓子や季節、文化を楽しんで欲しいです」と語る勝原さんは、意欲的に新しいお菓子にも挑戦しています。実は日本で生まれたというブッセを、バタークリームに白あんと和の食材を合わせることで昇華した「みぶッセ」、地元農家で栽培されている希少な小豆を使った「ごきねぶり最中」など、ストーリーを感じさせる新しい和菓子たちとの出会いも楽しめますよ。
和菓子喫茶・テイクアウト
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料金
喫茶セット 550円
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人数
4人がけのテーブルソファ席が2つ
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名前
勝原白貫堂
かつはらはっかんどう -
TEL
0826-72-2053
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住所
〒731-1515 広島県山県郡北広島町壬生243-5
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駐車場
なし ※県道5号線に出て、新見ストアーの隣にある「壬生ふれあいセンター」前の駐車スペースをご利用ください
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営業時間
10:00~17:30
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定休日
水曜日、第1・第3日曜日
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WEBサイト
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