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北広島をぐるりとナビゲート
聖湖周辺で自然を満喫
北広島町周辺のダムといえば、土師ダムが有名ですよね。実は、芸北の奥の方、島根との県境のあたりにもダムがあることをご存知ですか?聖湖は、戸河内ICから約45分、気持ちのいい緑の中を車で走らると見えてくる、自然に囲まれたダムです。昭和32年に誕生したダムで、下流には三段峡があり、ダム周辺にはカフェやキャンプ場ができたため、今では賑やかなスポットとなっています。
歴史ある、樽床・八幡山村
そんな聖湖ですが、ダムができる前は樽床・八幡山村と呼ばれおり、74戸ほどの村がありました。ダムのそばには、その村で使われていた道具を収集した博物館と、移築した民家1棟があります。歴史ある生活文化が残っている村で、貴重な生活用品や家屋などがダムに沈んでしまうのはとても勿体無い、ということになり、昭和35年に博物館を建て、民家を移築したのだそう。
厳しい気候の中での生活
駐車場に車を停めて、斜面を歩いて登ると見えてくる、倉のような建物が博物館。村で使われていた農業具や衣服などの生活用品が計479点も展示されています。見学していると気がつくのが、「木で作られているものばかり」ということ。実は、寒さが厳しい芸北地域では竹がなかなか生えないため、竹製品は珍しく、ほとんど木で作っていたそう。
また、2階に展示されている俵は、囲炉裏の上に吊るしていたもの。燻製のような保存食を作るために俵を使っていたそう。この俵は「がしん俵」といい、雑穀、干物、籾等を入れ燻製することで長期保存し凶作に備えたものです。寒さが厳しい中でも、さまざまな工夫をしながら生活していた様子が伺えます。
開館日は金、土、日曜日と祝日(冬季は休館)。入館料は無料なので、お気軽にお立ち寄りいただけます。
当時の家屋を移築
博物館の隣には、村の住民だった清水さんの家を移築しています。江戸時代の頃に建築されたと言われるこの家屋は、集落に昔から伝わる「中門造り」。中門造りとは、うまやを母屋とくっつけることにより、外に出なくても家の中で馬や牛のお世話ができたり、母屋からの熱がうまやに伝わりやすいL字型の造りです。寒い気候の芸北地域だからこその工夫なのですが、実はこの中門造り、北陸から東北地方でよくみられる民家の形式なのだそう。家の中に入ることもできるので、人々の生活を想像しながら室内を見渡してみても楽しいかもしれませんね。
昔の暮らしに思いを馳せながら
芸北民俗博物館の担当である原田さんのおすすめは、博物館の目の前に広がる絶景。晴れた日に行くと、青い空とそれを映したダムがとても綺麗です。「昔来てくださった方でも、この景色は見ることができていないと思うので、ぜひもう一度来てほしいです。」と原田さんは言います。その理由は、少し前まで博物館の目の前は木々が生い茂っており、令和元年に綺麗に整えたことで景色が見えるようになったから。
展示物で懐かしさを感じたり、ダムを高い場所から一望することができる芸北民俗博物館。芸北へ旅する際にはぜひお立ち寄りください!
見学
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名前
聖湖・芸北民俗博物館
ひじりこ・げいほくみんぞくはくぶつかん -
TEL
050-5812-1864(北広島町教育委員会生涯学習課)
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住所
〒731-2552 広島県山県郡北広島町西八幡原10870−4
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駐車場
あり
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営業時間
10:00~16:00(最終入館は15:30)
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定休日
月・火・水・木曜日(毎年12月〜4月まで休館 )
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